持ち家と賃貸はどっちが良い?費用・自由度・老後・防犯面を比較
本記事では、統計データをもとに、持ち家と賃貸住宅の違いやメリット・デメリット、向いている人について解説します。
持ち家と賃貸住宅では、費用や住まいの自由度、老後のリスク、防犯・安全面などに違いがあるため、それぞれの特徴を比較して選ぶことが大切です。
「持ち家を購入するか、このまま賃貸住宅に住み続けるか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ライフスタイルや将来設計によって適した選択は異なるため、自分が重視するポイントを整理して検討しましょう。
【この記事で分かること】
- 持ち家と賃貸住宅の違い・比較ポイント
- 持ち家と賃貸住宅のメリット・デメリット
- 持ち家と賃貸住宅に向いている人の特徴
目次
持ち家と賃貸住宅の違い
持ち家と賃貸住宅の根本的な違いは、住宅の所有形態です。
持ち家は、自分が所有する住宅のことです。持ち家には、注文住宅や分譲住宅、中古住宅といった選択肢があります。所有権が自分にあることから、賃貸と比べてリフォームや設備変更などの自由度が高い点が特徴です。一方、購入時にはまとまった費用が必要となり、入居後の維持管理も自身で行う必要があります。
賃貸住宅は、大家と賃貸借契約を結んで住宅を借りる形態です。転居の自由度が高く、設備故障時の対応や共用部分の管理は大家が行うため、住まいに対する手間が少ないメリットがあります。ただし、リフォームや設備変更には制約があることが多く、住宅を自分好みにカスタマイズする自由度は限られています。
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年の全国の持ち家数は3,387万6千戸、住宅全体に占める持ち家住宅率は60.9%です。持ち家の数自体は年々増加傾向にあるものの、持ち家住宅率は横ばいに推移しています。一方、借家の戸数は1,946万2千戸と緩やかに増加しており、住宅全体に占める借家率は35.0%です。
持ち家と賃貸住宅はどっちが良い?
持ち家と賃貸住宅のどちらが良いかは、ライフスタイルや価値観によって異なります。長く住み続けることを重視するなら持ち家、住み替えやすさを重視するなら賃貸住宅が選択肢となります。
持ち家に向いている人
- 住宅を自分の資産として所有したい人
- リフォームや防犯設備などを自分の判断で整えたい人
- ライフプランが定まっていて、老後も同じ住まいに長く住みたい人
持ち家は、住宅ローン完済後の住居費負担を抑えやすく、リフォームや防犯対策も自分の判断で行いやすい住まいです。長期的に同じ住まいで暮らしたい人に向いています。
賃貸住宅に向いている人
- 転勤や転職などで住む場所が変わる可能性がある人
- 住宅購入に伴う大きな費用負担を避けたい人
- 将来の暮らし方をまだ決めていない人
賃貸住宅は持ち家と比べて住み替えやすいため、ライフスタイルが変化する可能性がある人や、将来の暮らし方が決まっていない人に向いています。
持ち家・賃貸で防犯設備を導入するときの違い
- 持ち家:防犯設備を比較的自由に導入しやすい
- 賃貸:工事や共用部分への設置は管理会社・大家などへの確認が必要
- 共通:通信環境や撮影範囲、プライバシー、製品の利用条件を確認する
持ち家は防犯設備を導入しやすい一方、賃貸住宅では工事や設置場所に制約がある場合があります。住まいの形態やルールに合わせて、防犯対策を検討しましょう。
持ち家と賃貸住宅の5つの比較ポイント
ここからは、国土交通省の「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」の統計データを用いて、権利、費用、建物使用の自由度、老後のリスク、防犯・安全面の5項目を比較していきましょう。持ち家の一例として注文住宅を取り上げます。
※注文住宅は全国、その他の住宅種別は主に三大都市圏を対象とした調査であり、数値は単純に優劣を比較できるものではありません。それぞれの住宅種別で見られる傾向として参照してください。
※三大都市圏とは、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)・中京圏(岐阜・愛知・三重)・近畿圏(京都・大阪・兵庫)を指します。(国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」の定義)
| 比較項目 | 持ち家(注文住宅) | 賃貸住宅 |
|---|---|---|
| 権利 | 土地・建物の所有権(借地の場合は借地権)を持つ | 賃借権(借家権)を持つ。所有権は貸主 |
費用
|
建築費・土地取得費など初期費用が高め。 住宅ローンの返済が、完済まで継続する。 固定資産税・都市計画税がかかる 立地や建物規模、仕様等で必要な費用が変わる |
初期費用は抑えやすいが、家賃等が毎月の固定費として継続。 立地、専有面積、契約条件等で必要な費用が変わる |
| 建物使用の自由度 | 内装・設備を自由に設計できる | リフォームや設備変更に制約あり |
| 老後のリスク | ローン完済後は返済がなくなるが、税金や修繕費などは必要 | 家賃負担が続く。契約を断られる場合もある |
| 防犯・安全面 | 設計段階から防犯設備の配線を計画できる。 後付けでも対策しやすい |
工事を伴う防犯対策などは貸主側への確認が必要 |
①権利
持ち家は建物の所有権を持ち、土地も購入した場合は土地の所有権も持ちます。持ち家は土地・建物を資産として保有できますが、将来の資産価値は立地や建物の状態、市場動向などによって変わります。借地の場合は、土地について借地権を持ちます。
一方、賃貸住宅は住宅を所有するのではなく、賃貸借契約に基づいて物件を使用します。そのため、賃貸住宅は土地や建物を入居者自身の資産として所有することはありません。
②費用
国土交通省の「令和7年度住宅市場動向調査報告書」によると、土地を購入した注文住宅(新築)世帯の購入資金の平均値は7,646万円、自己資金比率は30.1%となっています。ただし、7,646万円は、住宅建築にあたり土地を購入した注文住宅新築世帯について、住宅建築資金と土地購入資金を合計した全国平均です。持ち家には分譲住宅や中古住宅もあり、これらは注文住宅より費用を抑えやすい傾向があります。予算に応じて住宅種別を検討すると良いでしょう。
一方、民間賃貸住宅の平均月額家賃は8万3,381円、中央値は7万4,000円です。平均月額家賃を年間に換算すると約100.1万円となります。また、共益費の平均は月額4,837円で、年間では約5.8万円です。平均家賃と平均共益費を単純に合計すると、年間約105.9万円となります。
これらの数字から、持ち家と賃貸住宅では費用が発生する項目が異なることが分かります。ただし、調査対象地域や住宅の広さなどの条件が異なるため、金額を単純に比較することはできません。
③建物使用の自由度
持ち家、特に注文住宅は、建築時に内装や設備、間取りなどを決めやすい点が特徴です。一方、賃貸住宅は既存物件の中から間取りや広さを選べますが、入居後のリフォームや設備変更には制約があります。
住宅の選択理由となった設備等をみると、注文住宅取得世帯では「高気密・高断熱住宅」が66.0%でもっとも多く、民間賃貸住宅入居世帯では「間取り、部屋数」が65.8%でもっとも多くなっており、設備を選ぶ際に重視する軸に違いがあることがうかがえます。
④老後のリスク
持ち家は、老後までに住宅ローンを完済していれば、賃貸住宅のように毎月の住居費を支払い続ける必要がありません。ただし、住宅ローン完済後も固定資産税や修繕費などは必要です。築年数が経過すると大規模な修繕や設備交換が必要になる可能性もあるため、老後の維持費をあらかじめ見込んでおくことが大切です。
一方、賃貸住宅は持ち家と比べて建物や設備の維持管理にかかる負担が抑えやすくなります。ただし、住み続ける限り家賃の支払いが続きます。また、高齢になると入居審査に影響する場合もあるため、老後の住まいについて早めに検討しておくことが大切です。
⑤防犯・安全面
持ち家(注文住宅)は建築時だけでなく、入居後に後付けで防犯対策を行うこともできます。設備選びの理由をみると、注文住宅取得世帯では「火災・地震・水害などに対する安全性の高さ」を選ぶ割合が50.3%である一方、「防犯性能の高さ」を選ぶ割合は21.0%にとどまっています。民間賃貸住宅入居世帯でも「防犯性能の高さ」が11.8%、「火災・地震・水害などに対する安全性の高さ」が6.2%となっており、いずれの住まいでも防犯性能を選択理由に挙げる割合はまだ限られています。
持ち家は購入後でも、防犯カメラや補助錠、防犯フィルムなどを設置して防犯性を高められます。賃貸住宅でも工事不要の防犯グッズは取り入れられますが、工事や設備変更を伴う場合は、管理会社や大家への確認が必要です。
持ち家のメリット・デメリット
持ち家は、資産として所有でき、住まいの自由度が高い点がメリットです。一方、購入費用や維持費がかかり、簡単に住み替えにくい点はデメリットといえます。
持ち家のメリット
- 住宅ローン完済後は返済負担がなくなる。ただし、固定資産税や修繕費などは引き続き必要
- 資産として保有でき、将来的な売却や賃貸活用の選択肢がある
- リフォームや設備の変更を自分の判断で行える
- 防犯カメラやホームセキュリティなどの防犯設備を導入しやすい
持ち家は、住宅ローンを完済すれば住居費の負担が大きく減り、老後の生活設計を立てやすくなることも大きな魅力です。また、ホームセキュリティや防犯カメラを導入する際、持ち家は必要に応じて電源の確保や配線工事などを行いやすく、既存住宅でも防犯設備を後付けできます。
持ち家のデメリット
- 購入時にまとまった初期費用がかかる
- 固定資産税や修繕費などの維持費が継続的に発生する
- 住み替えや引っ越しの自由度が低くなりやすい
- 資産価値が経年や市場動向によって変動する
持ち家は購入後も税金や修繕費などがかかるため、長期的な資金計画が必要です。また、転居する場合には売却や賃貸などの対応が必要になり、賃貸住宅と比べて住み替えに手間がかかる場合があります。
賃貸住宅のメリット・デメリット
賃貸住宅は、住み替えやすく維持管理の負担を抑えやすい点がメリットです。一方、家賃の支払いが続くことや、リフォーム・防犯設備の設置などに制約がある点はデメリットといえます。
賃貸住宅のメリット
- ライフスタイルに合わせて住み替えしやすい
- 維持費や修繕費の負担が少ない
- 固定資産税などの所有コストがかからない
- ホームセキュリティ:無線式の場合は電波テストを実施し、必要に応じて中継器を設置できる
- 防犯カメラ:既存の建物や共用部の状況を確認し、設置場所や撮影範囲を検討できる
賃貸住宅の最大の利点は、住み替えが気軽に行える自由度の高さです。転職や転勤、結婚、家族構成の変化、子どもの進学など、ライフステージの変化に応じて柔軟に引っ越しすることができます。
不動産取得税、固定資産税、都市計画税などの税金負担がないことも、賃貸住宅の重要なメリットです。また、建物や設備の経年劣化・通常損耗に伴う修繕は、一般に貸主が負担します。ただし、入居者の故意・過失や契約内容によっては、入居者負担となる場合があります。
賃貸住宅のデメリット
- 家賃を払い続けても資産にならない
- リフォームやDIYの自由度が低い
- 契約更新や家賃改定のリスクがある
- 防犯設備の設置に管理会社や大家への確認が必要な場合がある
- ホームセキュリティ: 建物の構造や管理規約などにより、専用電源の確保や配線の隠ぺいが難しい場合がある
- 防犯カメラ: 共用部への設置には管理会社・大家への確認が必要で、配線工事などが必要になる場合がある
最近ではDIY可能な物件もありますが、賃貸住宅では原状回復義務があるため、リフォームや改装が制限されている場合があります。
また、住んでいる限り毎月家賃を払う必要があります。資産としても残らないため、老後の住居費負担が重くなるケースもあるでしょう。
新居を検討する際は防犯対策も欠かさず行おう
警察庁の統計では、令和7年の侵入窃盗の発生場所別認知件数のうち、一戸建住宅(29.1%)で特に多く発生していることが分かります。一戸建住宅・集合住宅のいずれでも、建物の構造や侵入口に応じた防犯対策を検討することが大切です。賃貸住宅の多くを占める集合住宅においても、建物自体のセキュリティが不十分なケースがあり、入居者の出入りも多いことから適切な防犯対策が必要です。
住宅の防犯性を高めるには、玄関や窓への補助錠、防犯フィルムの貼付や防犯ガラスへの交換、防犯カメラやセンサーライトの導入などが有効です。住宅の種類や周辺環境に合わせて、複数の対策を組み合わせましょう。
ALSOKでは、侵入窃盗や火災からご自宅を守り、安心できる暮らしを支える住環境づくりをサポートします。
ホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」
ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」では、「オンラインセキュリティ」と「セルフセキュリティ」の2種類から選べます。オンラインセキュリティは、異常発生時にALSOKが駆けつけます。また、スマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時はワンタッチで警備を開始できる便利な機能も活用いただけます。
セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはALSOKへ駆けつけを依頼することができます。
ALSOKのホームセキュリティは在宅中も警備をセットできるので、外出中はもちろん、就寝中や一人での在宅時にも安心です。一戸建て住宅はもちろん、賃貸住宅を含むアパート・マンションなどにも設置可能です。ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。
屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」
ALSOKの屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」は、配線・電源工事が不要で、手軽に設置できる防犯カメラです。人の動きを検知すると、LEDライトが点灯するとともに自動で録画を開始するため、夜間や暗い場所でも周囲の状況を確認しやすくなります。また、オプション契約では、利用者からの依頼に基づき、ALSOKが現場へ駆けつけます。防犯機能を重視しながら、導入時の工事負担を抑えたい方に適した製品です。なお、賃貸住宅では、設置方法によって貸主や管理組合の許可が必要となる場合があります。
まとめ
持ち家と賃貸住宅には、所有形態や費用負担、自由度、老後の暮らし方など、さまざまな点で違いがあります。それぞれ特徴やメリット・デメリットがあるため、多角的な要素を考慮して選択することが長期的な住生活の満足度向上につながります。どちらの住居形態を選択するにしても、防犯対策を含めた安全性の確保は欠かせません。生活の基盤となる大切な住まいだからこそ、より快適で安心して暮らせる住環境を実現しましょう。
持ち家と賃貸住宅の比較でよくある質問
Q:持ち家と賃貸住宅はどちらが費用面でお得ですか?
A:一概にどちらがお得とはいえません。持ち家は購入費用、住宅ローン、税金、修繕費などがかかり、賃貸住宅は家賃、共益費、更新料などの支払いが続きます。居住期間、住宅価格、家賃、借入条件、将来の住み替え予定を踏まえて比較しましょう。
Q:持ち家と賃貸住宅は老後にどちらが向いていますか?
A:どちらが向いているかは一概にはいえません。持ち家は住宅ローン完済後も固定資産税や修繕費などがかかる一方、賃貸住宅は家賃の支払いが続きますが、状況に応じて住み替えを検討しやすいという特徴があります。老後の収入や住居にかかる費用、将来の住み替えの可能性を踏まえて選ぶことが大切です。





















