賃貸住宅を借りる際の注意点は?費用相場や契約までの流れを統計データで解説
本記事では、実際に賃貸住宅に入居した世帯の統計データをもとに、賃貸住宅の選択理由や費用相場、契約までの流れ、検討時の注意点について分かりやすく解説します。
賃貸住宅は、家賃を支払って借りる住まいのことです。ライフステージに合わせて住み替えやすく、建物や設備のメンテナンス負担が少ないなどのメリットがあります。
「家賃はいくらくらいが目安?」「物件を選ぶときは何を確認すればいい?」など、初めて賃貸住宅を借りる際には分からないことも多いのではないでしょうか。賃貸住宅を探す際は、立地や家賃だけでなく、暮らしの安心や快適さにつながる要素も考慮することが大切です。
【この記事で分かること】
- 賃貸住宅のメリットと借りるまでの流れ
- 家賃・初期費用の相場
- 統計データから分かる賃貸住宅の検討ポイント
- 物件選びの注意点と入居前後の防犯対策
目次
賃貸住宅とは?
賃貸住宅とは、大家などの貸主が、家賃を受け取る代わりに借主へ住宅を貸し出す形態の住まいを指します。契約形態には、契約期間満了後も更新できる「普通借家契約」が一般的ですが、満了時に契約が終了する「定期借家契約」もあります。定期借家契約の場合、大家との合意があれば再契約が可能ですが、基本的には満了時に退去しなければなりません。
賃貸住宅の建物は、アパート・マンション・一戸建てなどさまざまです。アパートとマンションの違いについては法的な定義はありませんが、一般的にアパートは木造などで建てられた集合住宅、マンションは鉄筋コンクリート造などで建てられた集合住宅を指します。構造によって生活の快適性や家賃が異なるため、ライフスタイルや予算に応じた住まい選びが重要となります。
賃貸住宅のメリット
- 気軽に住み替えができる
- メンテナンスの負担が少ない
- 固定資産税などの税金がかからない
- 建物全体で防犯対策が行われている場合がある
賃貸住宅には、住み替えのしやすさや税負担の少なさなど、暮らしやすさにつながるメリットがあります。
気軽に住み替えができる
賃貸住宅は、持ち家と比べて短い期間で住み替えがしやすい点がメリットです。結婚や転勤、家族構成の変化など、ライフステージに応じて住まいを見直したい場合でも、契約期間や更新のタイミングに合わせて引っ越しを検討できます。持ち家のように売却の手間がかからない点も、身軽に住み替えたい方にとって安心材料といえるでしょう。
メンテナンスの負担が少ない
賃貸住宅では、給湯器やエアコンといった住宅設備の故障、外壁や屋根といった建物本体の経年劣化について、入居者に過失がない限り、修繕費用は基本的に貸主が負担します。持ち家のように、修繕のたびにまとまった費用や業者選びの手間がかかりにくいため、突発的な出費を抑えたい方に向いています。
固定資産税などの税金がかからない
持ち家を所有すると、毎年固定資産税や都市計画税の納税義務が発生します。一方、賃貸住宅の入居者にはこれらの税金を直接納める義務がないこともメリットの一つです。
ただし、家賃には貸主が負担する税金分が一定程度含まれていると考えられるため、総合的な費用感で比較検討することが大切です。
建物全体で防犯対策が行われている場合がある
物件によっては、オートロックや共用部の防犯カメラ、モニター付きインターホンなど、建物側の防犯設備が整っている場合があります。こうした設備が備わった物件を選ぶことで、防犯性を意識した住まいにつながります。
ただし、防犯対策は共用部が中心で、専有部(住戸内)については入居者自身での備えも必要です。また、セキュリティ設備の有無や機能は物件によって異なるため、内見や契約前に確認しておきましょう。
賃貸住宅を契約するまでの流れ
- 希望条件の整理
- 物件探し
- 不動産会社への連絡
- 物件の内覧
- 入居の申し込み
- 入居審査
- 重要事項確認・賃貸契約
- 決済・引っ越し
まずは、希望エリアや家賃、間取り、築年数などの希望条件をリストアップしましょう。特に家賃については、自身の収入や貯蓄を考慮し、初期費用や家賃の支払い可能額を慎重に確認することが重要です。条件が整理できたら、不動産情報サイトや不動産会社を通じて物件を探します。気になる物件があれば不動産会社に連絡して内覧を行い、実際に部屋の広さや設備、周辺環境を確認しましょう。不動産会社では条件に近い物件を紹介してくれるケースもあるため、希望条件の優先順位を決めておくと良いでしょう。
入居を決めたら、申し込みを行います。賃貸住宅では管理会社や大家による入居審査が行われ、収入の安定性や勤務先、過去の賃貸履歴などが確認されます。
審査通過後は重要事項説明を受け、契約内容や特約事項を詳細に確認しましょう。内容に納得したら賃貸借契約を締結します。最後に初期費用を支払い、鍵を受け取って入居開始となります。
入居までの期間はおおよそ1カ月ほどかかりますが、早ければ1週間ほどで入居できるケースもあるようです。
賃貸住宅の費用相場
国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」の統計データによると、賃貸住宅の月額家賃の平均(三大都市圏)は約8.3万円です。賃貸住宅を借りる際は、毎月の家賃だけでなく、共益費や契約時の初期費用も考慮して予算を立てることが大切です。
※三大都市圏とは、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)・中京圏(岐阜・愛知・三重)・近畿圏(京都・大阪・兵庫)を指します。(国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」の定義)
賃貸住宅の月額家賃の相場
民間賃貸住宅の月額家賃(三大都市圏)の平均は約8.3万円(中央値7.4万円)で、この5年間で緩やかに上昇していることが分かります。
分布を見ていくと、「5万円以上7.5万円未満」の割合が最も多い結果となっています。さらに、物件によっては共用部分の維持・管理などに充てられる「共益費」が発生し、その平均は4,837円です。
賃貸住宅を借りる際の初期費用
賃貸住宅を契約する際には、以下の初期費用が発生します。
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 前家賃
- 火災保険料
- 鍵交換代
- 保証料
など
これらを合わせた初期費用は、家賃の5カ月分程度が一つの目安とされています。ただし、敷金・礼金の有無や仲介手数料などは物件や契約条件によって異なるため、契約前に費用の内訳を確認しましょう。
統計データで見る賃貸住宅の検討ポイント
賃貸住宅に入居した人は、どのような理由で住まいを選択しているのでしょうか。ここでは、国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」の統計データをもとに、三大都市圏の民間賃貸住宅に入居した世帯の選択理由や妥協したポイント、入居世帯の年齢・年収・居住人数について解説します。
賃貸住宅を選んだ理由と設備面の決め手
| 順位 | 住宅の選択理由(令和7年) |
|---|---|
| 1位 | 家賃が適切だったから(45.8%) |
| 2位 | 住宅の立地環境が良かったから(37.6%) |
| 3位 | 交通の利便性が良かったから(34.2%) |
| 順位 | 設備等に関する選択理由(令和7年) |
|---|---|
| 1位 | 間取り、部屋数(65.8%) |
| 2位 | 住宅の広さ(55.3%) |
| 3位 | 台所の設備、広さ(32.9%) |
賃貸住宅を選んだ理由で最も多いのは、「家賃が適切だったから」の45.8%でした。次いで、「住宅の立地環境が良かったから」の37.6%、「交通の利便性が良かったから」の34.2%となっています。毎月の家賃は家計への影響が大きいため、無理のない範囲での支払いが可能かどうかを重視する人が多いと考えられます。また、家賃だけではなく、立地や交通の利便性なども賃貸住宅を選ぶ際の重要なポイントになっていることが分かります。
次に設備等に関する選択理由を見ていくと「間取り、部屋数」が最も多く65.8%です。次いで「住宅の広さ」の55.3%、「台所の設備、広さ」の32.9%となっています。間取りや部屋数、広さなどを重視していることが分かります。
賃貸住宅検討時に妥協したポイント
| 住宅選択にあたり妥協したもの(令和7年) | |
|---|---|
| 家賃(予定より高くなった) | 28.6% |
| 住宅の広さ | 17.1% |
| 間取り、部屋数 | 15.3% |
| 特になし | 19.3% ※令和7年度新設 |
賃貸住宅を選ぶにあたって妥協した要素は、「家賃(予定より高くなった)」が最も多く、28.6%です。次いで「住宅の広さ」の17.1%という結果でした。希望条件との兼ね合いから、当初の予定より家賃が高い物件を選んだ世帯が一定数いることが分かります。また、「特になし」が19.3%と全体の2割を占めており、妥協せずに自分の条件に合う賃貸住宅を選んでいる人も多いことが分かります。
賃貸住宅を契約した人の年齢・年収・居住人数
| 賃貸住宅を契約した世帯の平均年齢・年収・居住人数(令和7年) | |
|---|---|
| 世帯主平均年齢 | 38.3歳 |
| 平均世帯年収 | 527万円 |
| 平均居住人数 | 1.9人 |
民間賃貸住宅の世帯主平均年齢は38.3歳です。世帯主の年齢の分布を見てみると「30歳未満」が35.8%と最も多い結果となっています。他の住宅種別と比較すると若年層の世帯割合が多く、民間賃貸住宅は若い世帯にも選ばれていることが分かります。また、30代・40代の世帯主も全体の約4割を占めています。
次に民間賃貸住宅の平均世帯年収を見ていくと「527万円」でした。世帯年収の分布によると「400万円以上600万円未満」の割合が最も多く23.7%で、「400万円未満」は23.4%です。600万円未満の割合が約5割を占めている状況です。
住宅選択理由では「適切な家賃」が最も多いことから、収入に対して無理のない家賃の物件が選ばれていると考えられます。
賃貸住宅の居住人数の平均は、「1.9人」でした。分布によると「1人」が40.2%と最多、次いで「2人」が36.6%となっており、少人数世帯の入居が多いことが分かります。
賃貸住宅の探し方
- インターネット(62.5%)
- 不動産業者(42.4%)
- 知人等の紹介(12.5%)
住宅を探した方法として最も多いのは「インターネット」が62.5%、次いで「不動産業者」が42.4%となっています。スマートフォンやパソコンで、いつでも大量の物件情報を比較検討できる利便性から、不動産ポータルサイトを活用する人が多いようです。
ただ、初めて賃貸住宅を契約する場合には、物件の情報収集や相談のしやすさから店舗を訪問する人も多いと考えられます。
後悔しないために!賃貸住宅を借りるときの6つの注意点
- 希望条件に優先順位を付ける
- 特約条項の内容を必ず確認する
- 検討エリアの家賃相場を把握する
- 内見は時間帯を変えて複数回行う
- 周辺環境の治安や災害リスクを調べる
- 入居後に自分でできる防犯対策があるか確認する
賃貸住宅を借りる際は、希望条件を明確にしたり特約条項を確認したりなど、複数の観点から総合的に判断することが重要です。
①希望条件に優先順位を付ける
賃貸住宅を探す際は、立地、家賃、間取り、築年数、設備など多くの条件を検討する必要がありますが、すべてを満たす物件を見つけることは現実的に難しいでしょう。「絶対に譲れない条件」「あれば嬉しい条件」「妥協できる条件」に分類し、優先順位を明確にすることが重要です。例えば通勤時間を最優先にするなら、多少家賃が高くても駅近の物件を選ぶという判断になります。
国土交通省の調査によると、敷金・礼金などの初期費用で困った経験があると回答した方が多いことから、限られた予算の中での条件検討も大切です。
②特約条項の内容を必ず確認する
賃貸借契約書には、標準的な契約条件に加えて「特約条項」が記載されることがあり、入居後のトラブルを避けるために詳細な確認が重要です。特約条項には、退去時のクリーニング費用負担、原状回復の範囲、ペット飼育の可否、楽器演奏の制限などが含まれます。国土交通省の調査でも、近隣住民の迷惑行為が「賃貸住宅に関して困った経験」として多く報告されており、特約条項を十分に確認せずに契約すると、入居時や退去時のトラブルにつながるおそれがあります。
不明な点は仲介業者や大家に確認し、納得できない場合は交渉することも必要です。
③検討エリアの家賃相場を把握する
賃貸物件を探す際には、希望エリアの家賃相場を事前に調べることが重要です。不動産ポータルサイトや地域の不動産会社の情報を活用し、間取りや築年数、駅からの距離など条件ごとの相場を把握しましょう。家賃相場を知ることで、提示されている家賃が適正かを判断でき、割高な物件を避けられます。同じエリアでも駅からの距離や路線によって家賃に差があるため、複数の駅や路線を比較することで、予算内でより条件の良い物件が見つかる可能性が高まります。
④内見は時間帯を変えて複数回行う
物件の内見は、可能であれば異なる時間帯に複数回訪れるのがおすすめです。日中と夜間では、周辺環境の雰囲気や騒音レベルが大きく異なる場合があります。また、日当たりの具合もさまざまな時間帯で確認することが大切です。実際の生活をイメージしながら内見を行うことで、入居後のギャップを最小限に抑えることができます。
⑤周辺環境の治安や災害リスクを調べる
賃貸住宅を選ぶ際には、周辺環境の安全性も重要な検討事項です。警察署の犯罪統計データや自治体のハザードマップを確認し、治安状況や洪水・地震などの災害リスクを把握しましょう。街灯の少ないエリアや治安状況に懸念があるエリアは避けるか、防犯設備が整った物件を選ぶことが大切です。耐震性を重視する場合は、新耐震基準を満たしているかどうかも物件選びの参考になります。建物の管理状態や定期的な点検の実施状況なども、長期的な安全性を判断する重要なポイントです。
⑥入居後に自分でできる防犯対策があるか確認する
入居前には、オートロックや防犯カメラなど建物全体の防犯設備に加え、専有部にも自分でできる防犯対策があるかどうかも確認しておくと安心です。補助錠や防犯フィルムなど具体的な対策については、次の見出しで詳しく解説します。
入居前後に必ずやっておきたい賃貸住宅の防犯対策
令和7年の警察庁の統計によると、侵入窃盗の発生場所のうち、「共同住宅(3階建以下)」と「共同住宅(4階建以上)」は合わせて全体の約1割を占めています。賃貸住宅は入れ替わりが頻繁で、誰が住んでいるのか把握しづらい傾向にあります。特に単身世帯や女性の一人暮らし、小さな子どもがいる世帯では、新居への入居を機に適切な防犯対策を講じることが重要です。
また、国土交通省の「令和7年度住宅市場動向調査報告書」によると、民間賃貸住宅に入居した世帯の38.8%が、宅配ボックスのある住宅を選んでいます。宅配ボックスは不在時でも荷物を受け取りやすく、置き配による盗難や宅配業者を装った不審な訪問などの防止にも役立ちます。
他にも、窓や玄関の施錠を日頃から心がけることに加えて、補助錠や防犯フィルムなど、賃貸住宅でも取り入れやすい防犯グッズを活用することが大切です。
出典:警察庁「住まいる防犯110番」
出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査報告書」
ALSOKでは、侵入窃盗や火災からご自宅を守り、安心できる住環境づくりをサポートしています。
ホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」
ALSOKのホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」は、「セルフセキュリティ」と「オンラインセキュリティ」の2種類から選べます。セルフセキュリティは、お手頃価格でホームセキュリティを導入でき、もしものときはALSOKへ駆けつけを依頼することができます。
オンラインセキュリティは、異常発生時にALSOKが駆けつけます。また、スマートフォンを持っているだけで警備を自動解除し、外出時はワンタッチで警備を開始できる便利な機能も活用いただけます。
ALSOKのホームセキュリティは在宅中も警備をセットできるので、外出中はもちろん、就寝中や一人での在宅時にも安心です。マンションやアパートなどの賃貸集合住宅にも設置可能です。ホームセキュリティの導入を検討している方は、ぜひALSOKにご相談ください。
屋外対応無線式カメラ「HOME ALSOK Connect Eye」
ALSOKの屋外用カメラは、工事不要で設置できるほか、人感センサーによる自動録画やオプションの駆けつけサービスにも対応しています。人の動きを検知するとLEDライトが点灯するため、夜間や暗い時間帯でも状況を把握しやすく、安心感を高めてくれます。防犯性能を重視しつつ、導入のハードルを下げたい方に適した防犯カメラです。
賃貸住宅に関するよくある質問
Q:賃貸住宅でもホームセキュリティを利用できますか?
A:賃貸住宅でも、建物の構造や契約条件、商品の種類、設置方法によっては、ホームセキュリティを利用できる場合があります。ただし、工事の要否や設置条件は物件によって異なるため、事前に管理規約を確認し、貸主や管理会社へ承諾が必要かどうかを確認したうえで、ALSOKへご相談ください。
Q:普通借家契約と定期借家契約では、住める期間に違いがありますか?
A:普通借家契約は、契約期間が満了しても更新すれば住み続けられる契約です。一方、定期借家契約は、原則として契約期間の満了とともに契約が終了し、更新はできません。引き続き住みたい場合は、貸主との合意のもとで再契約が必要となるため、契約前に再契約の条件を確認しておきましょう。
まとめ
賃貸住宅を選ぶ際は、家賃や初期費用、立地、間取りなどを比較し、自分の希望や予算に合った物件を検討することが大切です。また、契約内容や周辺環境を確認し、入居後のトラブルを防ぐための準備も進めておきましょう。
安心して暮らすためには、オートロックや防犯カメラなど物件の防犯設備を確認するだけでなく、入居後に自分でできる防犯対策を取り入れることも重要です。本記事でご紹介したポイントを参考に、安全で快適に暮らせる住まいを選びましょう。





















